曲について

• ワット街（ボリス・ヴィアン）
  パリのはずれ、オーステルリッツ駅の先にワット街という短い通りがある。通りのほとんどがパリから南に向かう鉄道の線路に覆われ、雨が降って来ないし、地下からは金網ごしに暖かい湯気が立ちのぼってくる。宿なしや野良猫には格好の場所である。この、一見何もない通りをレーモン・クノーにつれられて訪れたボリス・ヴィアンは、この街に不思議な愛着をおぼえたようだ。
  「猫と杓子のワット街」（ワット街訪問記）
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• 小売商人（ボリス・ヴィアン）
  いろんな商売をやったが、一番儲かるのは戦争商売。しかし、そのお客様方の運命は．．．。ヴィアンには有名な反戦歌「脱走兵」があるが、そちらの方は真っ正面の反戦歌でちょっとヴィアンらしからぬ感じがする。むしろ、この曲や「原爆のジャヴァ」の方がヴィアンらしくふざけのめした上での強烈な批判精神が感じられる。 戻る

• 自殺ワルツ（ボリス・ヴィアン）
  家政婦暮らしをしてるといろんな事に出会う。自殺する連中にもいろんなのがいる。もう何もしたくなくなった女、つまらない人生をふりかえって泣く奴ら．．．。 戻る

• 回転木馬（ジュリエット）
  今でも、ヨーロッパの各地では回転木馬がある。特に、お祭りの季節になると移動式の回転木馬が据え付けられたりもする。多分そんな回転木馬が北の河岸で、乗る客もいない深夜、ひとり回り続けている。そして、それを見ている男の頭の中には様々な幻想が浮かび上がる．．。 戻る

• 誰もさからえない（ジュリエット）
  あんたは何をびくびくしてるの。私の美しさのどこが怖いの。女は男を挑発する。しかし、その行きつく先は．．．。 戻る

• ケ・タル（ジュリエット）
  １８世紀末から１９世紀はじめ、愛人ゴドイとともにスペインの王室を牛耳った王妃、マリア・ルイーサ。彼女の老醜をゴヤは一枚の絵に描いた。その絵の彼女は、同じように醜く年老いた侍女が手にする一枚の鏡に見入っている。その鏡の裏には、一言「お元気？（ケ・タル）」。醜くも激しい老いを歌った歌。 戻る

• そこに（ジャン・ギドニ）
  子供の頃の思い出、お祭りや苺摘み、隣の女の子達。しかし、それはすぐに、地面を流れる血、酔っぱらった兵隊、虐待される子供たちの記憶につながり、死の香りのある様々なイメージが次々と浮かんでくる。 戻る

• ２０年代のベルリン（マリー・ポール・ベル）
  二つの大戦の狭間２０年代のベルリンの夜。ナチの台頭前夜のつかの間の 繁栄と頽廃。それに続いてドイツのたどる運命は必然だったのだろうか。 戻る

• 海賊の花嫁（ベルトルト・ブレヒト＝クルト・ワイル）
  毎日皿洗いに明け暮れる酒場の女中の見る白昼夢。ある晴れた日、彼女の恋人を乗せた三本マストの海賊船が港にやってくる。そして、港町に繰り広げられる地獄絵巻。リス・ゴーティやジュリエット・グレコの歌でも有名。「三文オペラ」より。 戻る

• バルバラ・ソング（ベルトルト・ブレヒト＝クルト・ワイル）
  金持ちにも、秀才にも、ロマンティックな洒落男にも「いいわ」とは言わなかった私。けれど、ある日、私の部屋にぬっと入ってきた男がいた。金もなく、頭がいいわけでもなく、いつも汚れた服を着た男だったけど．．。「三文オペラ」の中でポリーがマクヒスへの気持ちを両親（ピーチャム夫妻）に説明する歌。 戻る

• 水に溺れた娘のバラード（ベルトルト・ブレヒト＝クルト・ワイル）
  オフェリアのように水の中で溺れ死んだ娘の体が腐肉となり朽ちはててゆく様を克明に描写しながらなぜか滅法美しい歌。 戻る